【Column】爽やかな梅の酸味かんじる「Ume Sour Ale w/ Honey」のはなし

【Column】爽やかな梅の酸味かんじる「Ume Sour Ale w/ Honey」のはなし

こんにちは。ブルワーの石井です。

日差しが強くなってきて夏日となる日も増えてきて、もう少し春の余韻を楽しみたいなぁと思う今日この頃です。近年は春と秋がとても短く、心地いい陽気の日が少ないのを残念に思っています。

今回は先日販売を開始しました「Ume Sour Ale w/Honey」についてのお話です。

私たちのブルワリーはUpcycleがコンセプトとしてありますので、様々な企業や農家、製造者の方々からいろいろな素材のUpcycleのお話をいただくのですが、今回は福井県若狭の梅シロップを作る際に出た搾りかすを使用できないか、というものでした。

送っていただいた梅の搾りかすは、見た目は決して華やかではありませんが、梅の味はまだ残っていて、ビールの副原料として十分に可能性を感じました。



ビアスタイルは、通称「カリフォルニアコモン」と呼ばれるラガー酵母を使いながらもエールのように高めの温度で発酵させるという、いわばハイブリッドな製法を初めて採用しました。ラガー酵母ならではのキレのあるドライな味わいを目指しました。

また、梅だけだと酸味が強くなりすぎるので、香り付けと味の丸みを出すために国産の蜂蜜を使用して、発酵によって甘さがすっきりと消えた後にも、やさしいハチミツの余韻がほんのりと残るように仕上げました。

今回の醸造で手間がかかったことはハチミツの使用でしょうか。ハチミツは一斗缶2分使用しましたが、ハチミツは粘度が高いため、まだ暖かい時期でなかった仕込み時期ではなかなか缶から出てきません。今回は小さいタンクにお湯を張って、これに一斗缶ごと入れて温めてから煮沸窯に投入しました。

一口飲めば、はじめに感じるのは梅のほのかな酸味。そして後からやってくる蜂蜜のやさしい香りと、パンの耳によるふくよかなモルト感。それらがドライな飲み口と調和し、雑味のないクリーンな仕上がりとなっています。



Ume Sour Ale w/Honey」は、これから暖かくなる季節の午後、風を感じながらゆったりと過ごす時間にぴったりのビールです。
ぜひ一度、このユニークな味わいをお楽しみください。

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