【column】ハード系とソフト系のパンは何が違う?

【column】ハード系とソフト系のパンは何が違う?

パン屋さんの中の人が考えるハード系パンとソフト系パンのおはなしをちょっと。

大雑把にヨーロッパ系のパンは外皮(クラスト)が硬く、アジア・北米系はソフトなイメージですよね。ホントに大雑把ですが(笑)。

ヨーロッパの小麦は一般に(あくまで一般にです)日本でいう中力粉に近い性格の小麦。北米系パン粉は強力粉が主体です。日本のパン用粉は北米産小麦の比率が多く、オーストラリアや日本小麦とのブレンドが一般的です。

ハード、ソフトに関して言ってしまうと、それがその地域の小麦にもっとも適したつくり方だったということに尽きます。

日本の小麦はうどんや蕎麦粉とあわせて蕎麦に。中国では中北部地域で饅頭に。インドでナンなど。

人間の食に対する飽くなき追及は、その地域でとれる素材をもっとも美味しく食べられ方法を編み出してきたといえます。

ハード系のパン生地はあまり強く捏ねません。その代わり十分に寝かせて粉と水の水和を重視します。ハード系の代表、フランスパンは焼くときに蒸気をオーブン内に注入して、入れたパン生地の表面に水分が結露することで、あのパリッとした薄い表皮をつくっています。

半面で高級食パンなどのようにきめ細やかでふんわりソフトなパンはミキサーでしっかりと捏ねてよく伸びるトロトロの生地をつくります。強いミキシングに耐えられる北米系小麦粉ということですね。

日本では世界中のあらゆる品種の小麦粉を入手することができます。どの小麦粉をつかってどんなパンをつくるかは、パン職人の腕とセンス次第。ホームベーカリーと一流ブーランジェリーで同じ材料をつかっていることも多いです。